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本日朝7時半から「第一回横須賀•三浦地区小泉進次郎モーニングセミナー」に参加しました。
内閣府大臣兼復興大臣政務官を務めている視点から、地元横須賀三浦への想いを語って頂きました。

その熱いメッセージを受け止め、そのまま三浦市役所へ直行しました。
「国家戦略特区」について、少しでも早い
内閣府を交えての勉強会開催を目指して調整中です。

今回の講演のキーワードは、「国家戦略特区」「自治体間広域連携
「人口急減」「労働力不足」「横須賀カレー横丁」「町内会」等
本当に刺激を受けるお話ばかりでした。

以下、会場でのメモ書きをまとめましたのでご参考までに。
誤字脱字ご勘弁下さい。

「国家戦略特区、名の通り、
国が戦略として特別な区域と認め、指定した所であれば、
特例的に様々な制度変更や規制緩和を含めて
認める措置をしましょう、というものです。

日本全国の自治体が特区に指定してほしい、
と多くの自治体が手を挙げましたが、
高いハードルを掲げられて、門前払いをされた。
名古屋も被災地も指定されなかった。
だけれども、横須賀三浦は手を挙げていないのに認められた、
「東京圏」という中で、神奈川県全域が指定されたんです。

全国6つの地域が戦略特区に指定されました。

・・・

私も今回政務官として絡んだから知ったのですが、
兵庫県養父市(やぶし)。人口は2万数千人の小さな山奥のまち。
「農業特区」として、農地の売買等の権限を持つ
「農業委員会」に市の権限を絡ませるようにする。
全国でやったことがない案を自治体が出してきて認められた。
これはなかなか言えない。農業団体の反発があったりするからです。

福岡市は、韓国や東南アジアが近いし、外国人も相当来ます。
LINEはじめベンチャー企業の拠点も福岡市に増えてきました。
そして、福岡には人材がIT技術や外国人といった揃っている。
外国人労働者をより多く受け入れるために労働環境を規制緩和していく。

一番南の沖縄は、「観光特区」に。
世界の観光地に見劣らない魅力ある観光地にしていく。
カジノと結び付けて考えている方もいらっしゃるでしょう。

みんな必死で手を挙げて自分たちのまちを国家戦略特区にしてくれ、
と言ってようやく指定されました。

この国家戦略特区が、どういった意味を持つのか?、
この町の未来にどんなインパクトが与えるのか、というのが
みなさんに理解されていない。

せっかく指定されたんだから、
それを使っていこうというのが見えてこない。
そこが私のもどかしいところ。

黒岩県知事が、医療イノベーション特区を盛んに発信している。
そのため、医療の問題の特区に限られるんではないか?
という思い込みがありますが、

しかし実は、指定された特区は、
全国6区の特区を全部使えるということを把握していない。

行政の方から、特区推進対策本部を立ち上げて、
みんなで考えて、話し合って決めて
これからの人口減少と少子高齢化が急速に進むという
横須賀三浦のトレンドをどうやって変えていくか
という新たなまちづくりのきっかけにすべきだ、と言っている。

横須賀三浦の大きな魅力の一つは、農業と漁業だと思います。

農家の方が、取れたての野菜や海産物を売りたくても、
農地転用の関係で規制、レストランやカフェを作るのも規制の壁がある。
それが特区では、農家レストランもOK、
そしてまちづくりの中で大きな課題になっている容積率の緩和もOK。

学校教育で言えば、公設民営化も横須賀三浦でもOK。
日本ではいままで数十年間、医学部新設は一度もない。

いろいろメニューがあって、後はその用意されたメニューの中で
どれを自分たちのまちの元々持っている魅力と潜在力と組み合わせるかを考え、
特色あるまちづくりをやっていくか?、というのが問われているんです。

横須賀三浦のまちづくりというのは、
横浜川崎相模原等大都市と比較するようなまちづくりではダメなんです。
逆をいくべき、大都市の逆をいくべきだ、と言っている。

横須賀三浦には大都市にはない魅力があります。
私はその一つの魅力が、「自然」だと思っています。
自然から享受している食べ物まで、もっともっと魅力を高めていけばいいんです。
こうしたまちづくりの一つの大きなツールが出来た、
それが国家戦略特区です。

全体で経済をどうするか?
地域の在り方をどうするか?
ここに絡んでくるのが、
横須賀三浦の急速の人口減少、そして少子高齢化です。
どう向き合っていくべきか?

今内閣府で取り組んでいるのが、急激な人口減少です。
2040年に東京に対する人口流出が止まらなかった場合、
自治体の姿がどうなるか?
というのを数字を挙げて検証した。
そこで注目されたのが、20歳39歳の女性の数なんです。
若い女性の実数が減ることは、
まちの人口の再生産能力が無くなることを意味するからです。

若年女性の人口の減る率が、25年間で半分以下になる自治体を
「消滅可能性都市」と位置付けて発表したんです。
横須賀は42%でギリギリセーフ(41.9%)。
三浦市は残念ながら入っている(57.9%)。
そしてこのままいくと、
2040年の横須賀の人口は30万人、三浦市は3万人になるそうです。
そういった中で、この人口急激を経済のパイの縮小という
負のスパイラルに陥らせないためには、いったい何ができるか?
というのを国家戦略の最重要課題に位置付けて
地域の在り方を考える、という議論がようやく出始めたんです。

これを悲観的に受け止めるか前向きに考えていくのか、これは受け止め方次第です。
私は1981年生まれで、今33歳。
25年後その30万人都市の横須賀に住むときには、私は58歳。
そう遠くない現実に、私はむしろ、遣り甲斐を感じている。
今まで言われてきたことが、とうとう無視できない時代に来たな、と。

特にオリンピック・パラリンピックの後からが問題です。
国家最大級のお祭り、オリンピック・オリンピックが終わった後は
誰でも寂しくなります。
あまちゃんが終わった時のあまロスや半沢直樹ロスのように
盛り上がった後には必ずみんなロスがある。
オリンピックロスが精神的にも社会的にもいろんな部分にも出てくると思う。
そしてそうなった5年後に来る2025年には、
一番人口規模が大きい層の団塊の世代が、75歳以上の後期高齢者になる。
介護・医療・年金の社会保障費が莫大になって、
若い人たち一人の負担が増える見たくない現実が、
次から次へと襲い掛かってくる時機が、
オリンピック・パラリンピックの後の日本なんです。

そんな時代を生きる一人として、
こういう時代に生きたことを、
後世の日本人から、あれだけ厳しい、世界でも例を見ない人口急減の中で、
新たな発展モデルをつくるという偉業を成し遂げる、
歴史的チャンスに私たち世代は生きているんです。
特に、3.11プラス原発事故という世界に例を見ない
過酷な複合災害を経験した上に、元々ある構造的課題を抱えている国家が、
どうやって発展していくのか?
という世界でもはじめてのケースなんです。
国民一人一人が危機感を持ち、自治体も首長も危機感を持ち、
国会議員一人一人が危機感を持ってこの課題に当たらなければいけない。

なぜなら、私たちが思っている以上に今の日本の形は変わってきている。
内部から大分日本が溶けてきていることがある。

労働力不足も、今は建設業にとどまりません。
これから労働力の奪い合いになる。
ドライバー、介護人材、パイロット、
すき家ではバイトが集まらないから100店舗以上開業出来ない、
平均年齢が65歳も農業、漁業も同じで水産業の世界では、
技能実習生という形で外国人が入ってきています。
養殖業は9割が中国人、船に乗り組む船員では外国人インドネシア人100%…
失業率は3.6%、仕事があるけど、人が集まらない状況になってきている。

この原因は、必ずしも賃金の問題ではなく
働くことに対する価値観の違いもある、と思っている。
食うに困れば、どんな仕事でもやろう、という時代があった。
だけど今は、ありがたいことに豊かで食べていける。
希望する職種につけなかった場合、
それでも無理して職に就こうという意思が
昔ほど働かなくなったのではないか?

労働力不足で活力が失われていく中で、
外国人労働者をどうやって活用していくか、という問題、
様々な課題はあるのは承知ですが、
観念論とか価値観の問題を抜きにして、
現実問題として、どうやって経済を回していくのかを
冷静に議論していかなければいけません。

そういった時代にあって、
日本がより高めていかなければいけないのが「生産性」です。
トヨタの改善という生産方式、
「カイゼン」はすでに国際社会に通用する言葉になった。
工場の中で、三歩から一歩にするような細かく地道な工程に着目して
生産効率を上げてきた。日本人にしか出来ません。
そんな歩数まで着目をした、労働生産性の効率アップは、
外国では考えられないレベルの人の力、国家の力なんです。
そういったシステムと考え方と具体的な「カイゼン」という方式を
実際に日本の企業が、どこまで取り入れて生産性をあげているか?
という問題があります。
まちの地場の工場とか中小企業へ着実に取り入れるような、
経営支援をやっていかなければならない。

労働者不足についても、
安易に無秩序に外国人に労働を頼るのではなく、
日本の世界に冠たるロボット技術等
ピンチをチャンスに変えていく、
国の政策を打つべきであって、かつ急速に
政策を打ち込んで変えていかなければいけない時代にあると思います。

これから横須賀三浦と国と一緒になって、何が出来るか?

昔からくすぶっている話題も一つありますね。
それは「合併」の話です。
これは大体横須賀からみたらメリットはない。
借金が多いところを横須賀が抱えるのは考えにくい。
感情的な問題がある。
双方のプライドもある。
さまざまな地域の違いがあって、単純な話ではない。

平成の大合併では、
効率的に行政を運営してコストを下げて、
効率を上げて一人一人の負担を減らしていこう
という方向でしたが、これからは自治体自体が消滅していく時代です。

効率的に行政を運営をして本来の考え方は、
無理に自治体を合併していくことではありません。

三浦半島をどうするか?
国もいろいろと考えて、合併なき合併をできるように、
今回の国会で、新たな制度(広域連携制度)を作りました。
合併なき合併を出来るようなシステムを作ったんです。

国同士が条約や協定を結ぶような発想を、
自治体同士の条約、協定を結んで(連携協約)、
同じ市民サービスを共有出来るようにする。
他の自治体にあって、自分の自治体にない施設もあるはず。
こういった自治体間の条約について
国会の中で、「地方自治法一部改正」
という形で出来るようにしたんです。

国家戦略特区で対策本部を立ち上げるべきだ、と言いましたが、
この条約の話も検討していくべきだと思います。
横須賀は、三浦半島のリーダーであり、音頭ををとって
まちの発展を考えるべき。

チャンスが、今回は二つ。
国家戦略特区と自治体同士の条約(連携協約)の話、
こんなタイミングはありません。

これから全国レベルで、自治体同士の競争が始まります。

東京都に対して、民間シンクタンク(みずほ銀行・大和総研等)から
世界の金融センターにすべき、という提言が出されています。
イギリスのシティとアメリカのウォールストリート、そして日本の東京だと。
外国からの企業に対して、地方法人税の減免という特区を提案している。
なにが起きるかというと、危機感を持たなければいけないのは、
日本最大の都市東京が、さらに新しい発想を持って、
特区を使って規制緩和してきた場合、横浜横須賀がどこまで適うのか?
こうやって、地域間で競争がはじまっている。

またこれから、いつからかわからないけど、
いままで指定された以外の特区の二次指定も出てきます。
一番可能性が高いのが被災地です。
安倍総理も、被災地こそが特区をやらなければいけない、という発想を持っているから。
そうした時に、せっかく特区に認定されたのに、
出遅れた場合、こんなに勿体ないことはない。

だから私は、横須賀三浦経済界を含めて真剣になって考えてほしい。
何ができるかをぜひ一人一人の知恵を出して、考えてもらいたい。

今の時代は、国がこう考えたから地域はこうやれ、という時代はもう変わりましたよ。
地域のことを考えるのは、その地域の首長なんです。
まちづくりを考えた結果、国の制度や規制、法律が構想実現の邪魔になるから、
国の力で何かしてくれ、と言うのが新しい国と自治体の関係なんです

もともと何かやりたいというものがなければ、手助けのしようがないんです。
だから私はもどかしいんです。
今ピンチかもしれないけど。チャンスなんです。

・・・

最近はあいつは特区の話ばかりだな、と言われている。
どこかで誰かがこのメッセージを受け取って具体的なアクションに
繋げて頂くことを期待をしているんです。
そういった役割を果たしていきたいと思っています。

人口が減るというトレンドは、変わらないでしょう。
30万人の横須賀になるか、3万人の三浦になるか?でも
そこまでいかせないことが出来ます。

その案は何か?
横浜を真似るな!
その魅力はなんなのか?
自分たちにあって他には無い魅力は何なのか?

横須賀三浦の人は、自分のまちは大好きだから気が付かないかもしれない。
余所者の目線を活用しながら頑張るべき。

特に横須賀は教育に頑張ってもらいたいですね。
横須賀は教育の部分が弱い。
教育は大事なんです。教育が根付くと、そこに人が集まるんです。
大学のあるまちは強い。
教育の部分の特区をやってほしい。

・・・

横須賀経済界に検討してほしいんですが、
カレーのまちについて。自衛隊護衛艦カレー、
東京の友人が、行列に並んでいる姿を写メを送ってきて
横須賀中央駅からJC横須賀駅まで行列が出来た。
護衛艦カレーにありつけなかった市外県外の観光客は、
各店舗のカレー店、ココイチまで満員になった。

あれを見てて、海軍カレーが味わえる「カレー横丁」があっていい。
横須賀も、親不孝通りはあるけど、
せっかく海軍カレーでイメージ売ったんだから、
「カレー横丁」を考えて欲しい。
ビルにはしてほしくない、通りに人が流れる横丁がいいと思います。

いままでの発想ではなくて、非連続の発想で考えるタイミングでしょう。
ヤマダ電機はじめ大きな電気屋さんが出来ました。
こんなに電気屋さんが出来て誰が喜ぶのか?
まちづくりのグランドデザインを考えて
呼ぶべきものを呼んで、地域に無いものをつくるべき。

・・・

残念ながら地域のあり方の現状は厳しい。
衣笠、青年連合会の総会で、残念ながら一つの町内会が脱会を決めました。
世代交代がうまくいかなくて、理事をやる人があらわれなかった。

町内会というは、日本の誇れるところだと思っているんです。
町内会という単位でまちづくりに関わり、お祭りがあり、お囃子があり、
親世代と交流することで、自分のまちの歴史や伝統を受け継ぎ、
自分のまちに恩返しをしようという、好循環が出来る。

いい取り組みだな、と思ったのは
追浜第一商店街新年会で見た光景です。
連合町内会でなく、追浜一丁目だけの新年会に、200人以上集まっている。
一丁目に住むその年の新成人を呼んで、壇上で抱負を語らせる。
「皆様のおかげで、成人を迎えることができました。
地域のお役に立てるように成人として頑張っていきたい」
といった話をしている。

自分は意識していないまでも、
地域に支えられて育まれて生きてきたんだ、という思いで、
自分たちがそのまちに貢献しよう、住んでいこう、
という思いがわいてくると思うんです。

町内会について、なぜ言うのかというと、
復興の進んでる、遅くれてるの違いは、組織の強さと弱さなんです。
もともと結束が固くて、あの人が言うならついていこう、
という素地があれば、話がまとまるんです。

宮城県岩沼市は、元々あった六つの集落を一つにまとめたんです。
このままでは行政コストがもたないから、
五つの公民館を潰して、一つにした。
しかし、平時にやろうとしたら出来ないんです。
頭ではやらなくてはいけないのがわかっているんだけれど、
選挙の時に、無責任だが公民館を守っていく立場の方が受かる。

ここ横須賀三浦も、いつ首都直下型地震が起きるかわからない。
その本当にそれが起きた後に、後悔を持ってほしくない。
立ち上がりの早さとか、地域の絆の強さ、大きなまちづくりも、
すべて最後は一人ひとりが決めていく話なんです。
そして日本の中で、民意を集約させてまちづくりに反映する単位は、
実は町内会なんです。日本独自の権力構造の在り方なんです。

衣笠では一つの町内会が連合会から脱退した。
剣崎小の新入生が3人しかいなかった。
そういったテレビ番組の地方や山奥の過疎地の話を聞いているようなことが、
私たちの足元で起こっている。
その中でなにがリスクか、といえば
変わらない、このままでいることが一番のリスクだから、
変わろうじゃないか?
大きな方向性で動いていくべきではないか?

そのために、私は国会議員という立場で横須賀三浦で選出されている立場で
国の制度で使えるものが出来てきたら、それを使ってもらいたい、
という思いを強く持ちながら、
その具体化、どこかで化学反応が起こってアイディアが上がってきて
それを形にするために全力の努力をしていきたいと思います。

もしもこれで、対策本部が出来れば、
民間のみなさんの中で、こういったメニューを
特区のメニューとして使えないのか?、と思った時
聞く窓口にもなるじゃないですか?

そういったものすら作らないのは、私はあまりにもったいないと思う。
今日のメッセージを受け止めて頂いて、
これからの国の進捗やこの横須賀三浦のまちづくりに注視しながら、
これからも一緒になって歩んでいきたいと思います」

<2014年地方自治法一部改正とは…?>『産経新聞3.18』より
政府は3月18日、市町村が従来よりも簡単な手続きで共同事業ができるようにする
地方自治法改正案を閣議決定した。少子高齢化が進み、単独では住民サービスの維持が
難しい自治体が出ることを見据え、合併に代わる手段として広域連携を促す。
政令指定都市の制度改革や、中核市・特例市制度の統合も盛り込んだ。

 広域連携では、市町村が共同事業の内容や役割、費用分担を取り決めた「連携協約」を結ぶ。
事務局は協約の参加自治体が担うため、一部事務組合など別組織を設置する必要がなく、
今より事業着手が容易になる。市町村の業務の一部を他の自治体が代行する手続きも緩和する。

 政令市の制度改革では、窓口業務中心の現在の区を「総合区」に衣替えし、
副市長などと同じ特別職の「総合区長」を議会の同意を得て選任できるとした。