汐入の総合福祉会館で開催の
「第11回三浦半島学童保育研究集会」に参加をさせて頂きました。

参加者は総勢308名でした。
2015年4月実施の「子ども子育て支援新制度」に向けて、
学童保育の施策も大きく変わろうとしています。
三浦市には、8つの小学校がありますが、学童は4つしかありません。
学童保育がない学区に住む児童は、学区変更して遠い学校まで通学する場合もあるのです。

【放課後児童クラブ(学童クラブ)とは?】…
共働きや母子・父子家庭などの事情による留守家庭の小学生をお預かりし、
指導員が健全育成活動を行うところです。
国県市から補助金を受け、保護者の支払う保育料を収入として保護者会が運営しています。
共働き、一人親家庭、病気療養などの事情のある家庭にとって、
学童保育の運営を担うことは大きな負担であると言えます。

記念講演は、松崎運之助氏(夜間中学が舞台の山田洋次監督『学校』のモデル)。
「幸せになるための学童保育」をテーマに
本当に子ども好きのおじさんによる、心暖まる講演でした。

「36年前に学童保育を立ち上げました。
親としては夢が広がっていたが、運営費もない、子どもも集まらない中、
オンボロ長屋でスタートした。。。
お金が無くても、想像力で精一杯子どもと遊んだ。
子どもたちの居場所をつくる、という思いは一つだった」
「学童保育は、子どもたちのとっての最後のオアシス、暖かく見守る場所。
学校や家庭では世間の尺度でついつい見てしまう。学童は一人ひとりを大切に見ていく」

「大変だけど、どこかで親の思いを感性で伝えていくことが大事。
人間として誠実に子どもとどう生きていくか?」
「子育ては学習活動、子どもと一緒に学んでいく、歩んでいく」
「子どもに遊ばせてもらっている幸せ」
「時代の最先端、教育問題解決の手掛かりは学童保育にある」

「夜間中学で長く教員を務めていた。17時半に始まり22時に下校。
下校の音楽は、『見上げてごらん夜空の星を』。
生徒は年齢も職業も入学時期も違う。「違い」こそが、宝。
毎日の挨拶は「こんばんは」。「は」の後には思いが一杯詰まっている」
「一人も生徒がいないまま始業することもあった。
生徒が来てくれたからドラマが始まる。待っているからこそ、思いが一杯広がる。
待つことは心の充実である」

「満州生まれ、一歳で死んだ兄の分も、という思いで育てられた。
「命の後ろには無念の思いが繋がっている、
たくさんの人に支えられて、助けられて大きくなったんだ」と、母に教えられてきた」
「父は女を作って出て行く。母と子ども三人、家も無いまま河原の掘っ立て小屋に住んだ」
「保育園の保母さんの励ましの言葉に救われた。
暖かい眼差しが子どもにとっての幸せ、眼差しや励ましは、必ず力になる。
教育は祈りのようなもの」

山田洋次監督映画の『学校』に採用されたエピソード。
「夜間中学の生徒に10代の可愛い女の子がいた。
彼女の誕生日、生徒みんなが用意した彼女の机の上に一輪の花に泣きわめいた。
彼女は自分のことを「生れてこなければよかった、誕生日なんて…」と思っていた。
彼女の母は、彼女の成長に支えられ、救われてきた、という事実を知る
「あなたはあなたのままで素敵なんだから」」

「慌ただしい毎日ですが、僕らは勇気を持って立ち止まり、
見えないところにあるものを見る、そういうまなざしを深めていきたい」
「バネはマイナスをため込んでから、高く高く上がっていく。
困難ばかりだが、間違いや失敗を繰り返して成長していく。
灯台のような役割の皆さんの光が、子どもたちを照らしている。
自分の足下は照らせません。
保護者・指導員の皆さん、大事なのは皆さんの足下、健康です。
健康を守ることが皆さんの大事な仕事です。ご自分を褒めてあげて下さい」

「学童保育は、そこに通う子どもたちにとって幸せな居場所になっています。
たくさんの遊び仲間がいて、楽しさがはじけています。
見守り、寄り添ってくれる指導員さんがいるので、
子どもたちは安心して自分を輝かせることができるのです」
写真 2014-09-21 11 56 45オープニングは、三浦半島の学童の子どもたちによるけん玉ショー!
写真 2014-09-21 9 46 54開会のあいさつは、三浦市放課後児童クラブ連絡協議会会長の田中ひろ子副実行委員長
写真 2014-09-21 10 08 52講師の松崎運之助さんは、とても気さくで温かく、フットワークの軽い方でした。