明治大学「三浦観光資源調査研究」

『明治大学商学部熊澤ゼミナール 「三浦観光資源調査研究」計画発表会』にオブザーバー参加しました。 三浦市東京支店「なごみま鮮果」を三浦市と協働運営する 明治大学商学部熊澤ゼミの学生が、 新たな試みとして今学期、三浦の観光資源の調査研究を行い、 「観光マップの作成」や「旅行ツアーの企画(神田地域をターゲットにバスツアー)」、 「物産新商品の開発(まぐろ商品とかき氷シロップ)」の三班に 分かれて企画立案をしていきます。 学生らしいさを発揮して、今までスポットを当てられることのなかった 新たな観光資源を見つけ出して頂きたいです。   【なごみま鮮果とは・・・?】 東京神田駅にある明治大学も三浦市が協働運営する 三浦市アンテナショップです。 明治大学と三浦市との官学連携も来年度で10年目を迎えます。 その存在意義は、三浦市の知名度を上げ、 将来三浦市に住まう人を増やすことです。 活動が認められて「千代田区商工観光功労賞」を受賞。 平成25年度実績は、営業日数261日・イベント出店52回。 来客者数10,0107人で売上は300万円を超えています。 明治大学熊沢ゼミの学生は3年生25人、2年生26人で、 営業運営を担当するのは2年生、 研究調査を3年生が務めることになっています。 http://www.kisc.meiji.ac.jp/~nagomima/index.html

横浜FC 三浦市物産展「みうら元気屋」

ニッパツ三ツ沢公園球技場まで三浦市のPRに行ってきました。サッカーJ2の横浜FCホームゲームで毎年一回開催しています、三浦市物産展「みうら元気屋」のお手伝いです。三浦市名産のスイカ、メロン、メロンジュース、まぐろのカルビ焼き弁当、トロ串、トロちまき、塩辛、まぐろ角切り、しらす…たくさん揃えてお出迎えしました。試合は、三連勝で勢いにのる横浜FCのホームゲーム、カターレ富山との対戦でした。結果は・・・なんと、2-0で勝利、そしてこれで4連勝です!!横浜FCサポーターも快勝にご機嫌で三浦名産をお土産にたくさん買って頂きました。我々が担当していた「まぐろ角切り」「いかの塩辛」「しらす」は全て完売させることが出来ました!!!!…

東京オリンピック合宿等のホスト自治体を募集

政府は、2020年東京オリンピック•パラリンピックの合宿や交流行事を受け入れるホスト自治体を募集します。事前合宿の受け入れは、地域にとって大きな利益となる可能性があります。子どもたちにとっても大きな夢となるオリンピック。ぜひ三浦市も積極的に誘致に取り組んで欲しいと思います。9月から意向調査を開始し、2016年リオ五輪後に正式選定となりそうです。「政府は2020年東京五輪・パラリンピックに向け、参加国・地域のホスト役となる地方自治体を募集・支援する。代表選手の合宿などの受け入れ先として登録し、交流や応援をリードしてもらう。競技会場が集中する東京だけでなく、地方の国際親善や観光振興を促し、五輪効果を全国に広げる狙い。9月に自治体の意向調査に着手し、2016年のリオデジャネイロ五輪後に正式選定する」「今回の取り組みは「ホストシティ・タウン構想」の名称で展開する。調査は、自治体の姉妹都市提携の状況など把握し、参加国とのマッチングの参考にするもので、年内に結果をまとめる。19年のラグビーワールドカップ(W杯)日本大会との相乗効果も念頭に、W杯出場国との関係なども調べる方針。調査に合わせて構想への積極参加を呼びかける」「自治体には相手先の文化や言語に配慮した環境づくりに加え、大使館などと連携したイベントの開催、学校での教育活動を通じた相互理解の醸成、ビジネス面を含めた大会後の交流継続などを期待している。大使館など関係団体との調整や、内外への情報発信などで側面支援する」「02年のサッカーW杯日韓大会ではカメルーン代表の合宿地、大分県の旧中津江村が全国的に有名になった。政府はこうした事例から国際スポーツ大会の地域活性化効果は大きいと判断。五輪効果の東京一極集中を抑えることにもつながるとみている」『日経新聞8.1夕刊』「五輪効果 全国へ~ホスト自治体を政府が募集」より…

アメリカ行政視察報告~PPPとシティマネージャー制度

「ジョージア州サンディスプリングス市行政視察報告 ~市役所の業務委託化とシティマネージャー制度」に出席しました。   講師は、東洋大学PPP研究センター難波悠先生と三浦市役所徳江市長室長です。 3月3日から8日の官民連携の最先端アメリカ視察の報告。 今回の視察の視点は、市役所の経営力を高めるために 市役所業務の委託化とシティマネージャーに焦点を当てて、 その歴史やメリットデメリット、現在の状況や今後の課題などを 総合的に学び、三浦市のシティマネジメントに取り入れていくことにあります。 <シティマネージャー制度とは?>… アメリカでは、自治体によって(6割)「シティマネージャー」 という行政経営の専門職を置き、市長(議会)に任命されます。 イメージは、日本の副市長の役割と権限が最も近いです。 専門の教育を受けて、様々な自治体を回りステップアップしていきます。 日本においても、シティマネージャーの重要な責務である 歳入歳出の適正な均衡、効率性の確保、コスト削減、コンプライアンス、 アカウンタビリティの確保はシティマネジメントに不可欠な要素です。 経営者オリバー•ポーター氏を中心に市民運動から、 2005年フルトン郡の中から「サンディ•スプリングス市」をつくりました。 人口は、9万4,000人。市役所業務を包括的民間委託します。 市成立のための住民投票を実施してから、設立まで、半年しかなく、 経営視点から、委託という手法が選択され、委託化を受ける会社があった。 包括委託した理由は、規模が大きいほど、シナジー効果が生まれやすいし、 小さい規模では失敗するとすぐに直営に戻してしまう可能性がある。 既存の市に対して、PPP(Public Private Partnership)のモデルを 適用するためには、政治的リーダーシップと労働者の雇用問題の 二つの課題を解決しなければならない。 PPPによる効率化で新たなサービス提供や課題解決が可能になっています。 ●道路のメンテナンス範囲が広がった。 ●市民の満足度が非常に高い <ラスティ•ポール市長 インタビュー> 「民間組織の利点は、職員のモチベーション向上」 「突き詰めれば、すべての業務遂行は公務員でなくてもよい、と考えている」 「業務委託の期間は3~5年の定めで、モチベーションが維持され 業務に対する本気度が変わる」 「公務員の長期雇用、同一賃金、年功序列の制度の中ではモチベーション維持は難しい」 <シティマネージャー マクドナ氏 インタビュー> 新しい予算編成の手法として、「Priority-based budgeting」 という手法を考案、実施している。 各部門から提出された来年度の事業予算要望について、 市長•議員のそれぞれに優先順位づけをしてもらい、それを点数化して順位づけし、 翌年度の全体予算の範囲内で実行していくものである。 特に設備投資関係は議員が地元から様々な要望を受けることも多く、 市民向けの説明にも使うことができる。 <サンディスプリングス市議会> 議会は市長1名と議員6名で構成。議案を部長級やシティマネージャーが説明し、 必要に応じてシティマネージャーやシティラーク(市書記官)に意見を求める。 議会は公開で、議案について意見を持つ市民は、 あらかじめ申請しておくことで、議会の中で直接自分の考えを述べることができる。 市側の提案を、市民の意見を聞きながら判断し、 時には修正案を示しながら、市民の目の前で採決を行う。 <サンディスプリングスを目指した自治体→ダンウッディDunwoody市> 固定資産税も平均年収も高いまちであり、Dunwoodyが自分たちで 市をつくるきっかけは、払った税金よりも低いサービスしか 受けていないという認識から。 一社一括ではなく、専門性の視点で業務を分割するなど 委託の形態も徐々に洗練されてきた。 <市役所業務のモチベーションは、待遇の問題> 市役所職員の給与が公開されていて、自治体間差をつけ辛いが、 民間企業の給与であれば、実力に合っただけの報酬が出せる。 「自分たちのまちのことは自分たちで決めたい」 「声が届いていない」「自分たちを代表する人にまちを運営してほしい」、 という問いが、新しい市を設立する共通の答え。   三浦市がより一層職員数削減をするのであれば、 市役所業務の委託化等官民連携の進展が不可欠です。 最小の経費で最大の効果を上げることはもちろん、 なによりも市民の満足度向上が目的となる改革を望みます。…

三崎宮城地区 住吉様

海南神社例大祭から一週間、三崎宮城地区の祭「住吉様」祝詞に参加させて頂きました。 海の神様 住吉神社には、海南神社藤原資盈四天王、二郎良則公等が祀られています。海難神社禰宜米田郷海様と…

小網代の森オープニングセレモニー

「小網代の森」は、森の水源から湿原、河口までが自然状態のまま保全される関東•東海地方唯一の大変貴重な場所です。ひとつの流域まるごとの全面保全は日本でも唯一といわれ、まさしく奇跡の自然なのです。いよいよ「小網代の森」が、明日から一般開放されます。 一般開放前日の19日、「小網代の森オープニングセレモニー トラスト緑地の音楽会」に参加をさせて頂きました。 森でのテープカットではじまり、 かもめ児童合唱団とオペラ歌手宮城摩理さんの 海と森に囲まれた解放感あふれる素晴らしい演奏! 懸念されていたトイレも、白髭神社から入口手前に4基設置されました。 NPO法人小網代野外活動調整会議代表理事で、保全活動に携わってきた慶応大学名誉教授の岸由二さんは19日の講演で「小網代はダイヤの原石。どんどん磨けばエコツーリズムなどで首都圏、世界に誇れる環境で、(経済効果など)新たな価値を生み出す」と話されていました。 利用時間は、4月から9月が8:30から19:00。10月から3月 8:30から17:30になります。詳細は、神奈川県のホームページをご覧ください。http://www.pref.kanagawa.jp/cnt/f530740/

小網代の森7月20日オープン!『「流域地図」の作り方』

いよいよ「小網代の森」が、 7月20日(日)8:30から一般開放されます! http://www.pref.kanagawa.jp/cnt/f530740/ 森保全にご尽力された岸由二先生の著書『「流域地図」の作り方』では、 小網代の森が「流域」を理解するのに 最適な場所、全国的にも稀有な存在であると評価されています。 「自然を考えるときには、まず「流域」を知ろう! 川って面白くて大切だ」養老孟司 小網代は、「浦の川」という、長さ1.2kmの小さな川が刻んだ谷で、 もちろん流域である。そこには広さにして約70haの小さな森が広がっている。 この森は「流域」を理解するのには、最適な場所。 なぜなら、この流域は、浦の川の全体流域の部分ではなく、 ほぼすべてに相当するからだ。 森に降った雨が地下や地表を伝って川となり、河口に至って干潟をつくり、 やがて海に流れていく、という流域の姿を丸ごと見ることができるのだ。 …最源流から河口まで、人工物に分断されることのない 「完結した自然の流域」をここに見ることができる。 こうした場所は全国的にも稀有な存在である。 開発が進む現在、道路が横切ったり、住宅ができたり… とすべて丸ごと残すということは難しいからである。 …小網代の森で有名な生きものといえば、アカテガニである。 このカニは、小網代の森のすべてを暮らしの場所としている。 普段は森で暮らし、お産をするために干潟に行き、 生まれたばかりの子どもは1ヶ月近く海で暮らしたのち、干潟に戻り、森へ帰る。 …小網代の森は、浦の川を軸に完結した自然の流域であるがゆえに、 アカテガニはその自然の広がりを存分に活用し命をつないでいけるのだ。 これはもちろん、アカテガニだけではない。 源流から河口まで流域としてまとまりを持ち、 多様な自然環境を有する小網代の森は、 多様な生きものたちが命を育むことを可能にしている。 …そして、その多様性を持つ小網代の森の象徴する存在が、 アカテガニなのである。 ちなみに、小網代の森での「アカテガニ」のような存在を、 「アンブレラ•スピーシーズ」(天蓋種てんがいしゅ)という。 …保全する場所に一番深く広く存在する生きものを選んでアピールし、 その生きものの住む場所を含めて保護•保全することができれば、 その生きものの傘下で生きるほかのたくさんの生きものも守られる という考え方である。 流域には、源流から河口までの流れに沿って、多様な自然環境が広がっている。 最源流の森、中流の低地、下流の湿原、河口の干潟。 これが川の基本形ともいえる配列である。 小網代の浦の川という小さな河川でも、 アマゾン川やナイル川などの大河でも基本は変わらない。 これに、尾根の広がりに沿った山や丘陵の緑や池の自然環境が加わって、 流域の自然を作りあげ、そしてそこには、それぞれの環境にすみ場所を持つ 多様な生きものたちが存在する。 生きものたちがまとまりのいい生態系(流域生態系)を形成しているのである。 水系を軸にして広がる流域地図で自分のいまいる場所を把握することは、 自分もそうした流域という生態系のまとまりの中で暮らしていると 実感する機会になると私は考える。 こうした実感は、私たちが地球規模で行われている水循環の中に暮らし、 またその循環の中で、多様な生きものたちと共存しているという 「仲間意識」の芽生えにもつながっていくことだろう。 そして、何よりも、私が「流域地図」を提唱するのは、 いまの地球という生命圏が直面している危機的状況に対するための 重要なツールと考えるからだ。 …いま、地球環境は危機的状況を迎えている。 地球温暖化が進み、大豪雨による巨大災害、海面上昇、 生物多様性の大崩壊等、行政地図ではなく、自然の地図、 「流域地図」で対応していかなければいけない。 …地球という自然とのつながりを意識した「すみ場所」の感覚を持つこと。 それがいま地球で起きている危機を克服する、 もっとも基本的な方法ではないかと私は考えるのである。 自然とのつながりを意識する 「すみ場所」の感覚を取り戻す方法こそが、「流域地図」なのである。…

みうら海水浴きっぷ

三浦海岸を満喫できる 「みうら海水浴きっぷ」が8月末まで発売されます。 京浜急行電鉄さんが企画しまして、 発売駅から三浦海岸駅までの往復割引乗車券と、 海の家で使用できる施設利用券がセットになったおトクな企画乗車券です。 7月19日から発売開始で、発売額は、品川駅発・京急蒲田駅発・ 京急川崎駅発が1,800円、横浜駅発が1,600円など。 品川駅から利用の場合、通常往復運賃(1,720円)と海の家利用 (1,500円・更衣室利用、休憩スペース利用、シャワー利用、荷物預かり) を合わせた通常料金(3,220円)に比べて1,420円もお得に。 横浜駅発の場合も同様に、通常料金より1,040円お得に利用できます。 泉岳寺、三浦海岸駅を除く京急全線各駅で販売するそうです。 三浦市の三浦海岸では2日、海開きが行われました。 神奈川県内で海の家の「クラブ化」が問題となる中、 三浦市としては独自の厳しい規制は設けずに、 音楽イベント運営は事前に計画書を提出するなど 県のガイドラインに従う形を取ります。…

『なぜローカル経済から日本は甦るのか』

「GDPと雇用の7割を占めるローカル企業こそ、 日本経済の成長の切り札となる」 ローカルだからこそ、「自立した生活経済圏」として 集約化や地元企業を発展させることで 成長の余地があるということを、改めてこの著書で感じました。 企業再生のプロとして、産業再生機構で実績をあげた 著者冨山和彦が、大企業と中小企業という違いではなく、 G(グローバル)とL(ローカル)で分けて考えて、 地方の成長戦略のヒントを語っています。 「経済学者という人種は、自分の説明しやすいことばかり議論する傾向がある。 どうしても、明快な答えが導き出せる上場企業の議論に偏っていく。 しかし、上場企業が日本のGDPに占める割合は30%程度に過ぎない。 雇用はさらに少なく、企業数に至っては数%しかない… 新古典派の経済学者にしても、社会民主主義派の経済学者にしても、 グローバル経済圏で活動しているわずかな企業の議論 (コーポレートガバナンスや派遣問題)しかしていない」 ローカル市場では数年前から、「不況なのに人手が足りない」 という事態が起きています。 「製造業のような「モノ」の市場では、海外でも生産できるが、 ローカル市場である「コト」(運ぶこと、介護すること、便利であること、泊まること) を提供しているサービス産業の大半は供給者が顧客の近くにいなければならず、 しかも労働集約的である。 そのため、この20年分のギャップ(生産年齢人口の減少)の部分に 構造的な人手不足が生じる。 こうした要因による労働不足というのは、 おそらく人類が経験したことのない現象ではないか?」 ローカル市場は公共性の高いサービス産業が多く、 地域密着型であることが多いため、景気に左右されにくく新規参入が難しい。 その一方で、健全な競争がされにくいため 生産性が低くなりがちであり、賃金もあがりにくい。 「グローバル化が進めば進むほど、かえって グローバル経済圏から切り離される人が多くなる」 それが「グロバール化のパラドックス」である。 ローカル経済圏の話をするとき、どうしても藻谷浩介氏の 『里山資本主義』にふれないわけにはいかない。 藻谷氏が言っているように、マネー資本主義すなわち G(グローバル)の世界の住人から、里山資本主義すなわち L(ローカル)の世界の住人に移行するという話は 現実トレンドとしては間違ってはいない。 現実には、地域のなかで循環させたほうが効率的な経済圏というものがある。 まさにその背景には密度の経済性が横たわっているからだ。 構造的な人手不足に直面し続けるローカル経済圏が成長力を維持するうえで、 今後の重大課題の一つは労働生産性の向上である。 そこでは、当然、高齢者と女性の就業率を高めることが重要となる。… 日本の製造業の労働生産性は、世界でもトップレベルである。 それに比べて、日本の非製造業の労働生産性は先進国のなかでもかなり低い (労働生産性水準、米国100に対して日本は53.9、フランス76.2、ドイツ87.6)。 おおむねアメリカの約半分程度の水準で、 ドイツやフランスからも大きく水をあけられている。 …地方のほうが先に高齢化が進んでいる。 生産労働人口も、地方から先に減り始めている。 なおかつ、地方の若者には東京へ出るという選択肢もあるので、 生産労働人口は今後絶望的に減少していくと考えられる。 その一方で、地方のサービス産業の需要は、 供給と同じペースで減少することはない。 現代のサービス産業の需要の担い手は、基本的には高齢者になるからだ。 …ローカル経済圏の中核にあるサービス産業において、 労働生産性を上げるためのアプローチは 「ベストプラクティス•アプローチ」が望ましい。 「ベストプラクティス•アプローチ」とは、別の企業や事業体が行う 似たようなパフォーマンスを自社に取り入れ、労働生産性を上げることを意味する。 …企業経営、特にLの中堅、中小企業にとって、経営者は最大の希少資源である。 (ベストプラクティスを取り入れる能力を持つ)数少ない優秀な経営者のもとに 集約化を進めたほうが、労働生産性も賃金も上がるはずだ。 …マスコミは、花火を一発ぶち上げるようなイベントを好む。 …(しかし)ローカル経済圏のサービス産業が勝つために必要なのは、 集約化を進め、ベストプラクティスに真面目にコツコツと取り組むことだ。 即効性のあるミラクルはない。 今地方で起こっているのは、(商店街にシャッター街が増えたのは昔の話で) ロードサイドの店舗すら成り立たなくなり、 ロードサイドもシャッター街になりつつあるという事実だ。 高齢者になると、車の運転ができなくなる。 かつては足しげく通っていたロードサイドの店舗に行く手段がなくなってしまった。 地方の若い人は車を日常的に使っているが、 わざわざロードサイドに行かなくてもインターネットで買い物ができてしまう。 逆に買い物を本気で楽しみたい若者は、週末の夜行バスで東京に来て、 渋谷や原宿に繰り出す。 あえてロードサイドに行く動機が薄れているのだ。 …ここでもキーワードも集約化である。 集約化とは「コンパクトシティ化」だ。 ローカル経済圏のキーワードは、あらゆるところでの集約化になる。 企業も優良な会社に集約化し、雇用もそこに集約化する。 それとともに人もコンパクトに集約化していかなければ、 最終的には公共サービスで弊害が出る。 分散化したままでは、利用する住民も大変だ。… コンパクトシティ化は集約だが、視点を変えれば退出と見ることもできる。 地方の限界集落からの退出を、どのように穏やかに進めるかという話である。… 退出の方法を戦略的に考えれば、まず介護施設、病院、保育施設を できるだけ一つの場所に集めることから始めるべきだ。 高齢者になっても、たいていの買い物、通院を徒歩で済ませることができる。 この動きを政策的に実現すれば、その後は自分で車を運転できない人、 歩き回るのが億劫だという人が自然に集まってくる。 できれば、公共交通機関の便の良いところ、 地方のターミナル駅周辺に集約するのが望ましい。 …従来の政策的な発想では集約というと 中核都市に工場を誘致する方向になりがちだ。 しかし、ローカル経済圏では生活サービス型の産業が中心になっていくので、 工場ではなく生活圏が妥当である。 まず大事なことはLの世界において、もっと効率的な公共サービスや 高密度の消費構造をつくることなのだ。 答えの一つは「駅前商店街」の復活だ。 鉄道の駅とバスターミナルの周囲に体半の生活機能を集約するのだ。 …集約化はさまざまな問題を解決する。公共サービスのコストを下げ、 郵便局の問題も解決できる。社会コストを下げられれば、 財政にとったもプラスになる。悪いことはほとんどないのだから、 早くこの方向性に進んでいくべきである。… ローカル経済圏のサービス産業は、公共サービス系の仕事が多い。 本質的に、誇りや社会的意味合いを持ちやすい仕事だある。… 自分の仕事にどれだけの矜恃を持てるか。 この思いが、職場の規律を維持する上で大切な要素になる。 矜恃を持つことができて、それほど生活に困らない安定した収入があれば、 自分なりの幸福感をつくっていける。 おそらくそれが、これからのローカル経済圏のゴールになる。 …東京のような巨大都市圏よりも、職住が近く、 両親や親戚が近くに住んでいる地元の地方都市のほうがはるかに (子育て環境を)成立しやすいし、実質的な生活水準も高レベルになる。 これからの平均的な日本の家庭モデルは、 Lの世界を軸に構想していくべきなのだ。… ここ数ヶ月の経済統計を見ると、 経済成長を引っ張っているのは内需、それもサービスセクターである。 …日本は明らかに「モノ」の消費市場としては成熟段階に入っている。 皆、既にたいていのモノは持っているし、 多くの消費材の価格はグローバル競争で相対的に安くなっているので、 その気になれば手に入る。 一般に消費社会が成熟段階に来ると、人びとの消費はより文化的なもの、 より無形の体験的なものにシフトするが、 日本もいよいよ本格的にその段階に入りつつある予感がある。 歌舞伎のような古典芸能であれ、ポール•マッカートニーのような洋楽ロックであれ、 ライブ•エンターテイメントサービスの経済的な本質はLの世界である。 生である以上、その場所で、その瞬間でしか楽しめないのだから。 …これまで社会福祉サービスや公共交通機関などの、 やや縮むイメージのサービス産業の議論が中心だったが、 「コト」消費が本格化することで、サービス産業にも 「成長」のフレーバーが加わってくる。… 「コト」消費の本格化によった、「GももL」戦略には追い風が吹き始めている。 …私たちはGとLが交錯したなかで生きている。 Gの世界のグローバルスーパーエリートも、 自宅近くの商店街で買い物をするし、外食もする。 年を取り、仕事からリタイアしていくと、 むしろ地域のコミュニティで過ごす時間が増え、 地元の高校の同窓会仲間との付き合いが復活したりする。 Lの世界の仕事をしている人も、Gの世界のイノベーションと 規模の経済の産物であるインターネットやスマホを、 リーズナブルなコストで楽しむことができる。 …そう、私たちは、GとLをそれぞれに使いこなし、選択していけばいいのてある。 選択肢がある、多様性があることは、むしろ人生と社会を豊かにする。…